安い、早いだけでない高級バーガー店の増加
日本において初めてのファストフードとして営業を開始したのがマクドナルドでした。
日本マクドナルドホールディングスが設立されたのは1971年のことで、当時はまだまだ国内では珍しい食べ物だったハンバーガーについて理解を求めるともに、手軽に食べられるメニューということで広報されていきました。
1975年には全店で年間売上100億円を超えており、翌年度からはフランチャイズ契約店を中心に、全国的に展開をしていくことになりました。
その後マクドナルド同様に多店舗型のファストフード店は次々に創業をされ、現在ではハンバーガーなどの洋食系だけでなく、丼ものや和食の定食を売りにしたタイプのものも多く展開するようになっています。
そうしたライバル社が多く登場したことにより、マクドナルドはシェアを奪われる形になり、結果として戦略を大きく変更することになりました。
2014年にはチキンマックナゲットを製造していた中国工場で、期限切れの鶏肉を使用してたことが発覚したことで一時最低の売上となりましたが、その後食の安全性をアピールするように切り替えたことにより、現在では業績を大きく回復しています。
もともとファストフードは「手軽に安く食べられる食事」ということで登場した飲食ジャンルでしたが、食への関心が高まることにより「安かろう悪かろう」では必ずしも顧客をつなぎとめていくことが難しくなってしまいました。
その一方で、本来手軽なはずのファストフードが高価格帯のものを出しても仕方がないとばかりに、本来的なファストフードを望むニーズも高くなっています。
そのため現在では数多くあるファストフード店のうち、「低価格・コスパ重視」と「高価格・品質重視」という2つの戦略が存在することになっているのです。
商品、客層の違いについて
低価格系のファストフード店の代表的な存在が「サイゼリヤ」や「はなまるうどん」「松屋」といったようなお店です。
これらは基本的に500円前後でたっぷり食べられるメニューを得意としており、注文してから食べられるまでの早さが魅力となっています。
一時期は高級路線に舵切りをしようとしたマクドナルドも、現在では低価格を打ち出しており、まさにファストフードという戦略をとっています。
もう一方の高価格系ファストフードの代表としては、「モスバーガー」や「サブウェイ」といったものや、外資系の「クアアイナ・スープストック」や「タコベル」などといったところが人気です。
高価格系のファストフードは有機野菜などの高級食材を使っていたり、ヘルシーに気を遣ったメニューを用意しているというところが大きな特長になっています。
低価格系のお店は主に学生や単身世帯が、高価格系のお店は女性やファミリー層がユーザーの中心です。