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百貨店業界の現状と今後の展望

ショーウィンドー

大手百貨店の紹介

非常に景気に売上が左右されやすいという特長のある百貨店業界において、長引く不況によりここ数年の百貨店の売上は減少傾向にあります。
高度成長期からバブル期にかけての時期には、百貨店は毎年のお歳暮・お中元が大きな売上を占めており、会社関係者や取引先に競って高級な品物を送りあっていました。
しかし現在では雇用の形も大きく変化したことと、この日本独特のお歳暮やお中元という風習も廃れてきたことから、百貨店は新たな販売方法を探す時期にきています。

日本における最大規模の百貨店は「三越伊勢丹ホールディングス」グループです。
次いで大丸と松坂屋HDが統合されてできた「J.フロントリティリング」が業界第二位となっています。

第一位の三越伊勢丹ホールディングスも、かつて三越伊勢丹が松屋やうすい百貨店、プランタン銀座、名鉄百貨店を統合してできた新しい会社であることから、業界全体の再編が進んでいるところです。
他にも高島屋やエイチ・ツー・オーリティリングなどが独自路線で営業をしていますが、業界としては上位二社が売上1兆円を超す大手となっています。

通販に着手している企業も増えている

景気の回復と業界再編により売上高が回復基調にある百貨店ですが、それでも根本的な売上構造が変わらなければ、今後も苦しい局面を迎えることが予想されます。
そこでこれまでは大型店舗による販売方式を中心にしてきたものを、通販型に切り替える動きも見られるようになりました。

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三越伊勢丹オンラインショッピング 株式会社 三越伊勢丹通信販売
大松松坂屋オンラインショッピング J.フロントリティリング
カエルパルコ PARCO
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すでに大手百貨店はオンライン通販によってお歳暮やお中元のようなギフト製品の他、限定品の販売を開始しており、売上も順調に伸びてきています。
より通信販売がやりやすくなるように、スマホ向けアプリを開発したりクレジット会員優待サービスなども展開しています。

老舗の百貨店が次々に閉店となる動きもここ数年で見られてきましたが、一方で東京や大阪の一等地ではインバウンド需要が大きく伸びてきました。
これは、それまで免税対象商品が家電や衣料品のみであったものが、2014年10月から化粧品や食料品に拡大されたことが影響しています。

そのため百貨店では外国人観光客向けに高級化粧品などを販売したり、わかりやすく免税カウンターを設置するなど呼び込みを行っているのです。
スタッフにも外国語を得意とする人材を積極的に採用しており、今後も店舗販売の中心は外国人観光客とする販売戦略が続いていくことが予想されます。